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琅琊榜な人々:林殊(梅長蘇) [琅琊榜]

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林殊の父は赤焔軍7万を率いる主帥林燮、母は梁皇帝の妹である晋陽長公主。
皇子たちは母方の従兄弟になる。中でも、林殊の父の妹林樂瑤(宸妃)と皇帝との息子である祁王(長皇子)は、母方父方両方の従兄。もしかしたら梁皇帝が恐れた祁王に一番似ているのは林殊なのかもしれない。

林殊は、父が率いる赤焔軍の面々からは可愛がられ慕われ、母の実家(皇室)の面々(梁皇帝もしかり)からは溺愛された子のようで。どんだけ魅力のある子だったんでしょうか。
静妃は翔地記の注釈を読んで「優雅にして鷹揚である」と言っていた。
皇族出身の母ゆずりの高貴さもあっただろう。
「お父様にあんなに似ていたのに」という言葉から、武人の風格も持ち合わせていただろう。

赤焔事案の当時はまだ十代。いくら凄い奴だとしても、その年齢で赤焔軍の汚名をそそぐという途方もない責任を負わされたことを考えると悲しくなってくる。
火寒の毒を抜くのに数年かかったとして、20代を復讐の準備だけに費やし、30そこそこで都に戻ってきた。
病弱な書生の姿ではあるが、麒麟の才子、江左の梅郎、江湖の組織江左盟の宗主梅長蘇として。

復讐のため人々を将棋の駒のように操り、少しずつ少しずつ着々と攻めていく。
衛崢を救出するかどうかでもめてたとき、靖王は
「梅長蘇は所詮謀士であって、人を操り利用する計算高い人間だ」
と思っていた。
梅長蘇が蒙兄さんに言ったこの言葉を思い出す。
「汚いことは全部自分がやる。景琰(靖王)には純粋なままでいて欲しいから」

血の繋がった従兄である皇太子と誉王を陥れ、本意でなくても誉王は死んだ。
謝玉を成敗するために景睿を傷つけもした。
赤焔事案を覆したいという同じ気持ちを持っている靖王も利用されてないとは言えない。
そのためには靖王が皇太子にならなければならないし、もし失敗すれば靖王もその母の静妃も無事ではいられない。本人たちがその覚悟で始めたとしても、そこに導いたのは梅長蘇である。

自分の復讐のために他人を巻き込み、死に追いやり、傷つけた。
それがシナリオ通りであってもなくても、心のダメージは大きいはず。
ただ、謝玉に対しては無情であった。この人だけは死んでくれないと困る人物であったし、そのタイミングも重要だと冷静に計算していた。赤焔事案の首謀者であり、林殊を斬った男であるから。
それと、夏江にも。実はこの人が本当の黒幕であったし。

林殊としての情義を心に秘め、梅長蘇として生きてきた十数年。
復讐を終えて救われるのは、祁王府と林家の既に亡くなった人々の魂だけであり、生き残った林殊は元の自分に戻ることはなく、霓凰と二人で幸せな余生を送れるわけでもない。
ドラマのラスト。梅長蘇は死んだのか、あるいはそれは見せかけで飛流や藺晨と一緒に瑯琊閣で過ごし、神の域に達している藺晨の医術をもって、寿命を永らえているかもしれない。
けれども、私はこう願う。

早く来世で霓凰と再会し、争いも陰謀もない平凡な世界で幸せに暮らして欲しいと。
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わさおさん(2009/06/14)